自動車業界ITエンジニアの生存戦略

IT化の勢いが凄まじい自動車業界でITエンジニアが生き残るために必要そうな情報をまとめます。

今後はITシステムの概念図・構成図の作成スキルが必須となる

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 今回は「今後はITシステムの概念図・構成図の作成スキル(イメージ化スキル)が必須となる」というテーマを書きます。
 ITは抽象的で分かり難いですが、今後はどんな産業にも一層ITが浸透するので、分かりやすく図解ができることが重要になってきます。

 

 

1. 今後のIT業界

まず、前提として今後のIT業界は以下のような特徴があると考えます。

・ITそのものが抽象度が高い
・ビジネスの場所が世界中に広がっていく
・ITを利用する対象が増加していく
・人材の流動化が激しくなっている

1.1. ITそのものが抽象度が高い

 ITは目に見えない上に概念的なものが多いです。また、以前にも増して抽象度の高い技術が増加しているように感じます。相手にそれを伝えるには言葉だけでなく概念図・構成図によってイメージ化しなければ伝わりにくいでしょう。

1.2. ビジネスの場所が世界中に広がっていく

 ITに限った話ではありませんが、現代は事業領域は世界中に広がっています。ということは異なる言語や文化を持つ人々と意思疎通を図らなければなりません。
自分の国でも抽象度が高くて伝わりにくいものを、外国語だけで伝えるのは難解です。

 

1.3. ITを利用する対象が増加していく

 今後Internet of Things (IoT) の発展とともに、これまでITを活用していなかったモノにまでITが利用されるようになります。そのモノを作っている人にもうまく説明できなければビジネスのチャンスを逃すことになるでしょう。

 

1.4. 人材の流動化が激しくなっている

 クラウド上で開発可能な環境の推進、働き方改革による働き方の多様化などにより様々な人が流動的に働くような社会になります。また、外国人労働者も増加しています。したがってこれまでの新卒で入った会社で終身雇用という時代は終わりです。

 ひと昔前までの日本は皆が文化や価値観が画一的という前提があったので「自分の言ったことが伝わらない場合は、受け取り手が悪い」と言っても許されるような風潮がありました。しかし、もはやそれも過去の話でこれからは文化も価値観も多様化しているので「相手が理解できない場合は伝え手が悪い」のです。

 

2. 意思疎通に時間がかかるデメリット

上記のように、ITマネージャーは昔のマネージャーと同じような意思疎通方法をとろうとすると、これまで以上に多くの労力を意思疎通(コミュニケーション)に要することになります。

 また、過去にも書きましたが、コミュニケーションはコストです。

learningforever.hatenablog.com

 

 

3. イメージ化のメリット

 言葉だけでなくイメージを用いることで分かりやすくなります。これは説明不要かと思います。(逆に説明しようと思うと認知心理学とか象形文字の時代の話とかそういうレベルになってややこしくなると思います)

わかりやすくなることで上記のデメリットを払拭できます。

 

4. どうやってイメージ化するの?

イメージ化には以下の手順があります。
・イメージ化する対象を選ぶ
・イメージ化の作業を行う

4.1. イメージ化する対象を選ぶ

イメージ化を苦手とする人も多いですが、多くの人は作図の作業よりもここができていないから苦手なのだと思います。

上でも述べましたが、ITはそもそも抽象的で何をイメージ化すれば良いかもわからないかと思います。概念思考・抽象思考といった能力も必要になってくる部分です。

概念思考・抽象思考については参考に以下を載せておきます。

human-relation.net

 個人的には世の中のすごい人たちが既にイメージ化してくれたものがインターネットや書籍上に転がっているので、それをテンプレートとしてマネをすれば良いと思ってます。

私がいつもテンプレートとして参考にしている書籍を一部以下にあげます

 
戦略フレームワーク

 思考ツールが沢山載っています。私も仕事中、特に企画段階でイメージ化に迷った時に参考にします。

世界標準の思考ツールが一気にわかる 戦略フレームワーク25

世界標準の思考ツールが一気にわかる 戦略フレームワーク25

 

 

グローバル経営のモダナイゼーション

 システムのグローバル展開についての考え方が多くの概念図で可視化されています。これも企画段階で沢山使わせてもらっています。

グローバル経営のモダナイゼーション

グローバル経営のモダナイゼーション

 

 

業務システムモダナイゼーションガイド

 システム開発に関して多くの構成図・概念図のテンプレートがが載っていて参考にしています。これはITマネージャーの中でもより現場の開発に近い人に有用です。 

 

 

4.2. イメージ化の作業を行う

イメージ化の作業はセンスではなく慣れとテクニックが重要だと思っています。

私が以前某業界団体の共同研究活動に参加する中、PwCコンサルティングの方に資料がなぜこんなにセンスが良いのかと聞いたところ「会社の方で色の数とかフォントなどなどがルール化されている」とのことでした。ようは個人のセンスの話ではありませんでした。

 PwCコンサルティングの作成した資料のサンプルはこちら

 
以下私が参考にしてる本です。

外資系コンサルが実践する 図解作成の基本
 図形の枠の使い方とか表を図形で作る方法とか、細かい部分で色々参考にしています。

外資系コンサルが実践する 図解作成の基本

外資系コンサルが実践する 図解作成の基本

 

 

ノンデザイナーズ・デザインブック

  この本はキレイな図を作るためのデザインの原則について書いています。正直、ここまでくると今回の記事のテーマから逸脱してしまいますが・・・

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

 

 

5. まとめ

今後のIT業界は前よりも言葉だけでは意思疎通が困難な環境になっていきます。
・ITそのものが抽象度が高い
・ビジネスの場所が世界中に広がっていく
・ITを利用する対象が増加していく
・人材の流動化が激しくなっている

イメージ化スキルを身につけて、スムーズで誤解のない意思疎通を可能にしましょう。

・イメージ化する対象を選ぶ
・イメージ化の作業を行う

 

以上、ありがとうございました。

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